NISTEP注目科学技術 - 2020_E756

概要
「うつ病・双極性障害・統合失調症・アルツハイマー病等の脳・神経機能障害の病態解明に基づく、病状コントロールを可能とする医薬品開発」に注目している。
脳は人間の臓器の中で最も重要な臓器の一つであり、高次精神機能を担う。認知症やアルツハイマー病、うつ病、統合失調症、自閉スペクトラム症などの疾患は、患者が多く社会的にも大きな問題である。こうした精神・神経疾患は脳の病であるが、その原因は未だ十分に解明されていないことから、治療法が確立されているとは言い難い。しかし近年、例えば、X線自由電子レーザー(XFEL)をはじめとした技術により、脳・神経に存在するドパミンD2受容体をはじめとする神経伝達物質の受容体や蛋白質の構造が解明されつつある。脳・神経疾患の原因と関連する受容体構造の解明は、有効性が高く副作用の少ない治療薬の開発につながると考えられる。さらに、こうした受容体・蛋白質等の構造情報を蓄積し、人工知能(AI)に利用することにより、治療に有効な薬物構造を予測・最適化することができ、迅速な治療薬の開発につながることが期待される。
キーワード
2020年調査にはこの項目はありません。
ID 2020_E756
調査回 2020
注目/兆し 2020
※2020年調査にはこの項目はありません。区別のため、便宜上 「2020」 としています。
所属機関 大学
専門分野 ライフサイエンス
専門度 -
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実現時期 10年以降
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) 52 (内科学一般)
分析データ クラスタ 53 (臨床医療/内科一般)
研究段階
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インパクト
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必要な要素
疾患と関連する、脳・神経の受容体や蛋白質の構造解析を推し進めることのできる、X線自由電子レーザー(XFEL)をはじめとした解析技術がさらに開発されることが望まれる。また、医薬品開発における人工知能(AI)の利用は、未だ限定的であり、製薬へのAI利用の実現化には企業や機関を超えた人材やデータ等の共有システムの整備が必要と考える。