NISTEP注目科学技術 - 2020_E727

概要
脳の記憶と学習のメカニズムの理解とその応用。各脳部位で起こる神経細胞の接合部位であるシナプスの形態および機能の変化に応じて、記憶や学習が起こる。動物実験では人為的に神経細胞を活性化させて経験していないはずの記憶を埋め込んだり、シナプス人為的に破壊することで記憶を消去することが可能になった。睡眠中の記憶や学習の固定化メカニズムの理解も進み、睡眠中の脳活動を操作することでの記憶固定化の強化なども報告されている。また、従来はシナプスの変化は即ち学習の結果と考えられてきたが、シナプスは神経活動が無くても自発的に変化していることが明らかになり、この自発的形態変化が学習と対になって働く記憶の保持・忘却機構であることが指摘された。理論的にはAIの発展とシナプスのモデル化が相互に脳機能の理解を深めている。全容解明には時間がかかるが、実験と理論の協力により段階的な応用が視野に入っている。
キーワード
2020年調査にはこの項目はありません。
ID 2020_E727
調査回 2020
注目/兆し 2020
※2020年調査にはこの項目はありません。区別のため、便宜上 「2020」 としています。
所属機関 公的機関
専門分野 ライフサイエンス
専門度 -
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実現時期 10年未満
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) 46 (神経科学)
分析データ クラスタ 61 (脳神経科学)
研究段階
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インパクト
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必要な要素
脳とロボットとを接合するサイボーグ技術。ロボットの発展は目覚ましくシンプルなルールのもとでは脳を凌駕している。一方で、センサーの感度、適応性能、ルールが定かでない複雑な環境下では脳が優れた機能を示す。脳とロボットを融合することで、より優れたサイボーグをつくるだけでなく、このような試みを通して、脳の高次機能や社会性も明らかになると期待される。科学と倫理が一体となってサイボーグ技術を推進すれば、脳科学・ロボット工学の両分野へのブレイクスルーをもたらすと予想される。