NISTEP注目科学技術 - 2023_E208

概要
電気エネルギーによる寄生虫殺虫技術
パルスパワー技術により瞬時的に発生させた高電界・大電流を、寄生虫が寄生する魚肉や畜肉へ印加すると、肉の品質を損なわずに寄生虫を選択的に殺虫出来る技術である。
現状の生肉食における寄生虫殺虫法は冷凍殺虫であり、冷凍・解凍を繰り返すことで肉の身質が低下するのは勿論のこと、冷凍や解凍に要するエネルギーも環境負荷の原因となる。
パルスパワーの場合、低電力を蓄積して瞬時に高電力として取り出すため、殺虫に必要なエネルギー効率は冷凍法に比べて極めて高く、省エネでもある。
本技術の適用は日本国内に限らず、日本食文化である生の刺身を寄生虫フリーの状態で輸出できる。
キーワード
電気エネルギー / 省エネ / カーボンニュートラル / 健康科学
ID 2023_E208
調査回 2023
注目/兆し 注目
所属機関 大学
専門分野 エネルギー
専門度
実現時期 5年未満
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) 40 (森林圏科学、水圏応用科学)
分析データ クラスタ 25 (食品化学・栄養学)
研究段階
企業との共同研究が進んでおり、アニサキス殺虫アジフィーレに関しては既に数量限定で市場販売している。
大量生産に向けた装置開発は企業との共同研究を進めている。
電気に起因する殺虫メカニズムの解明に関しては、研究室で研究している段階。
多種の寄生虫に対する殺虫効果や肉類に関する殺虫効果も、研究室で研究している段階。
インパクト
個人・社会の安全・安心の維持・向上、個人・社会の健康・幸福度向上、くらし・ライフスタイルの改善
必要な要素
研究室レベルの成果をもとに装置を作製してくれる装置メーカが必要。