NISTEP注目科学技術 - 2023_E204
概要
石油資源を必要としない、バイオマス資源を活用した合成高分子の開発と必要に応じた分解、再利用のサイクル構築。自然環境に配慮した環境調和型高分子の利活用。
キーワード
環境調和型高分子 / バイオマス / 分解 / 再利用
ID | 2023_E204 |
---|---|
調査回 | 2023 |
注目/兆し | 注目 |
所属機関 | 大学 |
専門分野 | ナノテクノロジー・材料 |
専門度 | 中 |
実現時期 | 5年以降10年未満 |
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) | 64 (環境保全対策) |
分析データ クラスタ | 31 (環境化学) |
研究段階
技術自体は研究レベルで開発されつつある。一方、未だ石油由来の高分子の優れた物性、開発におけるコスト的な優位性の利点は大きく、社会全体として新しい材料に置き換わるのにはまだ時間がかかると考えられる。
インパクト
学術的・工業的に重要な知見であり、新しい科学技術の創出につながる。また、社会全体において色々な場面で利用されている石油由来の高分子材料が環境調和型高分子に置き換わることになるため、社会や個々人に与える影響は大きい。当該技術が確立できれば、石油資源の消費を抑制できることから、エネルギー問題の解決に寄与できる。また、適切な分解、再利用技術を確立することで、社会全体におけるゴミの削減につながり、近年問題となっているマイクロプラスチックの削減にも貢献できる。
必要な要素
バイオマス資源を活用した合成高分子の開発と必要に応じた分解、再利用のサイクル構築に関する要素技術自体は進展しても、コスト優先の社会では環境調和型高分子への置き換わりは難しいと思われる。ここは、社会全体が、エネルギー問題や環境問題に対する意識を高め、これらの解決に貢献する道を選択していくことが必要であると思われる。