NISTEP注目科学技術 - 2023_E20
概要
私の専門は界面反応化学であり,主に電極反応などの,固液界面を主な反応場としつつ電子の授受を通じて反応が生じる電気化学反応を主なターゲットとしています.この専門分野の中でとりわけ重要になると考えられるのは,(1)表面感度の高い分光計測手法,(2)固液界面さらには電位を印加された電極をモデル化可能な計算手法,になると考えています.(1)に関しては,現在表面増強ラマン散乱や和周波分光法など,種々表面感度の高いものが知られてきていますが,非常に限られた領域でしかない表面の情報は通常,バルクの情報に埋もれてしまいますので,これらのような表面の情報を増幅する手法は今後も重要になるはずであり,更なる発展が強く求められます.(2)に関しては既に多くの識者より指摘のあるところですが,固液界面のモデル化は概して,極めて多くの原子をモデル化する必要があるため,計算コストが高くなりがちで,しばしば現実的ではない計算が求められます.この計算コストを現実的なレベルに抑えつつ,さらに電位をモデル化する手法は,今後も発展が求められると考えられます.
キーワード
表面増強ラマン散乱分光 / 和周波分光 / 第一原理計算 / 溶液理論
ID | 2023_E20 |
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調査回 | 2023 |
注目/兆し | 注目 |
所属機関 | 大学 |
専門分野 | ナノテクノロジー・材料 |
専門度 | 高 |
実現時期 | 5年以降10年未満 |
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) | 32 (物理化学、機能物性化学) |
分析データ クラスタ | 54 (理化学/分子化学) |
研究段階
いずれも研究室開発レベルととらえて良いと考えています.
インパクト
実現された暁には,
・革新的な次世代蓄電デバイスの開発/設計が実現されると期待されます
・高度な情報社会を支える電子部品の発展/小型集積化が加速されると期待されます
またこれらを通じて,カーボンニュートラル,創蓄省エネルギーシステムの高効率化と次世代エネルギー社会の創出に大きく寄与することが期待されます.
・革新的な次世代蓄電デバイスの開発/設計が実現されると期待されます
・高度な情報社会を支える電子部品の発展/小型集積化が加速されると期待されます
またこれらを通じて,カーボンニュートラル,創蓄省エネルギーシステムの高効率化と次世代エネルギー社会の創出に大きく寄与することが期待されます.
必要な要素
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