NISTEP注目科学技術 - 2023_E197

概要
トポロジカル絶縁体は、物性物理学の分野で過去20年ほど活発に研究されてきた。トポロジカル絶縁体は、物質表面に抵抗がゼロとなる特殊な表面状態が現れるため、省電力デバイスへの応用が期待できる。また、トポロジカル絶縁体は、電子のスピン自由度が重要であることが多いため、電子のスピン特性を用いたスピントロニクスの実現にも重要であると考えられる。さらには、汎用型量子コンピューターの中でもノイズに強いとされるトポロジカル量子コンピューターの構成要素となる非可換性のあるマヨラナ粒子もトポロジカル絶縁体の理論により研究が進められている。
キーワード
トポロジカル絶縁体 / トポロジカル超伝導体 / エッジ状態 / トポロジカル相 / マヨラナ粒子
ID 2023_E197
調査回 2023
注目/兆し 注目
所属機関 大学
専門分野 その他
専門度
実現時期 5年以降10年未満
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) 13 (物性物理学)
分析データ クラスタ 48 (スピントロニクス)
研究段階
トポロジカル絶縁体の表面状態の存在を裏付ける実証実験は、15年以上前から存在し、現在も多数の研究が行われている。応用デバイスに向けた研究も、大学の研究室レベルでは行われている。
インパクト
省電力デバイスの実現よるサステイナブルな社会の実現。
ノイズに強い量子コンピューターの実現により、従来の計算機では解くことが出来ない問題(最適化問題や暗号化の因数分解)が解けるようになる。
必要な要素
最適なトポロジカル物質の発見