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NISTEP注目科学技術 - 2020_E560

「窒素固定技術」に注目している。
窒素固定は、通常不活性とされる窒素（N2）が反応しやすい、つまり我々の生活に使える物質に変換されることで、例えば窒素がアンモニアに変わる反応を言う。このような窒素源は我々の生活に必要不可欠である。現在窒素固定は高温高圧を必要とするハーバーボッシュ法による窒素と水素の結合からアンモニアを取得しており、これが大部分を占める一方、エネルギー消費量が膨大であるため代替技術が必要とされている。近年（基礎研究は20年近く前から）、常温常圧で窒素固定が可能な技術が注目されている。これは優れた触媒が開発されたことにより達成されている。今後さらに触媒設計が進めば、ハーバーボッシュ法を超える効率で窒素固定が出来ることが期待される。

窒素固定技術の目標は簡単で、ハーバーボッシュ法より安価・低エネルギーで窒素が固定化できるかどうかである。現段階ではハーバーボッシュ法を超える様な触媒設計は達成していないが、今後の触媒設計次第では十分にそのような触媒が達成されてもおかしくはない。
例えば、根粒菌がもつ窒素固定酵素も常温常圧で高効率に窒素固定が可能な触媒の一つであり、生物模倣の触媒設計も重要な設計の手がかりとなる。