NISTEP注目科学技術 - 2023_E192
概要
データ駆動計測
キーワード
データ駆動計測 / 先端計測 / 機械学習 / 表面分析
ID | 2023_E192 |
---|---|
調査回 | 2023 |
注目/兆し | 注目 |
所属機関 | 大学 |
専門分野 | その他 |
専門度 | 高 |
実現時期 | 5年未満 |
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) | 29 (応用物理物性) |
分析データ クラスタ | 37 (電磁波・光学・レーザー・光半導体) |
研究段階
表面分析をはじめとする先端計測では、装置開発の発展によって、膨大なデータが排出されるようになった。現状ではそのデータのごく一部が解釈されているに過ぎない。このデータを機械学習を応用して読み解くことによって新しい装置や測定原理を開発した場合と同等以上の新たな物性情報を引き出すことができる。こうした観点から研究を進める研究者は最近10年で確実に増えており、企業もこの点に気づき、開発を進めているところは少なくない。学会発表や論文発表では様々な研究が発表されており、5年未満で、いくつかの研究機関から大きな進展が出ると期待できる。
インパクト
データ駆動計測によって、装置開発や新しい測定原理の発明を待たずに先端計測分野が飛躍的に発展する。それにともなって、材料・デバイス開発が加速し、産業競争力の向上、技術・素材・製品・製法等の改良が期待される。
さらに、生物学・医学から化学分野にかけて、これまで測定できなかった試料の情報や取り出すことのできなかった情報がデータ駆動計測によって引き出せるようになり、基礎科学の発展にも大きく貢献し、知の創出につながる。
結果として、医療水準の引き上げが社会福祉を改善し、新たな材料・デバイス開発がくらし・ライフスタイルの改善および社会的基盤の強化につながる。
さらに、生物学・医学から化学分野にかけて、これまで測定できなかった試料の情報や取り出すことのできなかった情報がデータ駆動計測によって引き出せるようになり、基礎科学の発展にも大きく貢献し、知の創出につながる。
結果として、医療水準の引き上げが社会福祉を改善し、新たな材料・デバイス開発がくらし・ライフスタイルの改善および社会的基盤の強化につながる。
必要な要素
データ駆動計測は、測定法の物理的原理、試料の物理化学的性質(生体試料の場合は生物的機構)を理解したうえで、数値解析を適切に応用し、得られた結果を科学的に解釈できる総合的な能力を必要とする。わが国にはこのような能力を潜在的に備えた研究者は少なくないが、このような総合力を発揮する場が少ない。なぜなら、既存の分野に収まらず、研究内容が多領域にわたって新しい内容を含むため、適切に審査できる審査員も少ないため、助成金獲得が難しいからである。このような真の意味での萌芽的研究を支えるためには、幅広い助成人材育成が急務である。
審査員が理解して評価できるような研究は、すでに古いともいえる。助成金の採択に関しては従来の審査員の評価だけに頼らない新たな仕組みの構築が望まれる。
審査員が理解して評価できるような研究は、すでに古いともいえる。助成金の採択に関しては従来の審査員の評価だけに頼らない新たな仕組みの構築が望まれる。