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NISTEP注目科学技術 - 2020_E547

現在、英国に続き日本政府も急速なカーボンフリー化進めることを表明した。しかし
短い期間にカーボンフリーかつ十分な電力供給を実現するためには原子力エネルギーが必要不可欠である。とはいえ、原発の新規増設も現実的には難しいことを考えると、現在の軽水炉システムで、安全性と核のゴミの問題を解決する手立てが重要かつ必要不可欠となる。その点で、これらの問題解決に対して東芝が考案しているFORSETI燃料は現実的であり、非常に期待が持てる。実際に、FORSETI燃料では、すでに現行軽水炉で放射性廃棄物の発生源を抑制しプルトニウム消費も促進できる基本的な概念についてその可能性が示されている。

FORSETI燃料を実用化するためには許認可にむけて大きなハードルがある。それは核反応断面積などの持つ不定性がどの程度燃料設計に影響を及ぼすか、という問題である。この点をクリアにできれば技術的にはカーボンフリー社会実現の目標とされる10年後の実用化が期待できる。