注目科学技術マップで分析 データ一覧

NISTEP注目科学技術 - 2020_E511

水電解方式による大規模な水素製造技術に注目している。
低炭素化の流れの中で水素は重要な物資であるが、従来型の炭化水素から水素を製造する場合は結局はＣＯ２を排出してしまう。そのため水電解に注目が集まっているが、一方で燃料電池と異なり、需要がこれまで多くなかったため、技術的に成熟しているとはいいがたい。一方、欧州ではＭＷクラスの水電解装置の導入検討が進んでいる。
水に電気を与えて水素を得る方法は中学校の教科書にも載っている話であり、簡単なものと思われがちであるが、実際には安定して水素を得るためにはガスハンドリング、ならびに電気制御技術など、様々な要素技術をインテグレートしてなる技術であり、その動向に注目している。

材料面では、効率向上、コスト低減に資する電極触媒に関する材料技術、電解質に関する材料技術によるブレイクスルーが必要と考える。また、大型化のためには膜面積の増大が必要であり、流体ハンドリング技術においても、解析面でのブレイクスルーが必要と思われる。