NISTEP注目科学技術 - 2020_E500
概要
小型原子炉(SMR)に注目している。米国NuScale社のSMRは既に米国NRCから設計の安全性に関する認可を受けており、次の建設段階に入ろうとしている。高い安全性とスケーラビリティ(小規模から大規模)があり、日本においても導入のメリットは高い。日本は風力発電の拡大に舵を切ったが、その電力供給の安定性には大きな疑問が残る。その風力のバックアップとしてSMRを利用すれば、電力の安定供給に繋がる。また洋上SMRとなれば、更に耐震性が高くなり、耐津波性も克服できる。米国のSMRを輸入しても良いが、できれば日本の原子力技術を継承しつつ、国産SMRの開発に繋げて欲しい。
キーワード
2020年調査にはこの項目はありません。
ID | 2020_E500 |
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調査回 | 2020 |
注目/兆し |
2020 ※2020年調査にはこの項目はありません。区別のため、便宜上 「2020」 としています。 |
所属機関 | 大学 |
専門分野 | ものづくり |
専門度 | - 2020年調査にはこの項目はありません。 |
実現時期 | 10年未満 |
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) | 43 (分子レベルから細胞レベルの生物学) |
分析データ クラスタ | 2 (マシンインテリジェンス/センシング・データサイエンス) |
研究段階
2020年調査にはこの項目はありません。
インパクト
2020年調査にはこの項目はありません。
必要な要素
米国では10年以内にSMRが実現しそうだが、日本では当然無理である。第1に規制体系が整備されていない。日本では活断層の上に原子炉を設置できないが、SMRであれば活断層の上でも安全性を保証できる可能性がある。また強固な地盤への固定が義務付けられているため、洋上SMRは今の日本では有り得ない。まずはこれらの規制を緩和する必要がある。第2に国産技術の欠落である。日本ではSMRの実績がほとんど無いので、多くの技術開発が求められるが、まずは安全性の観点から冷却機能と材料耐久性の確立が重要となる。NuScaleのSMRはメンテナンスフリーを謳っており、詳細は不明であるが、決められた耐用年数で点検せずに使用できる安全性があることになる。その場合には材料の劣化(疲労と腐食)を評価する技術の高度化も求められる。