NISTEP注目科学技術 - 2023_E184
概要
シングルセルレベルの空間配置を含めたプロテオーム解析
キーワード
シングルセル解析 / 質量分析 / プロテオーム解析
ID | 2023_E184 |
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調査回 | 2023 |
注目/兆し | 注目 |
所属機関 | 大学 |
専門分野 | ライフサイエンス |
専門度 | 中 |
実現時期 | 5年以降10年未満 |
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) | 43 (分子レベルから細胞レベルの生物学) |
分析データ クラスタ | 42 (細胞生物学) |
研究段階
現時点で具体的な方法論は発表されていないが、DNAやRNAの空間を含めたシングルセル解析が進む中、産物であるタンパク質について同様の分解能で時空間情報を得たいという要請は強く、多くの研究施設で開発に取り組んでいると想像される。
インパクト
DNAやRNAという核酸に関して、シングルセル解析で細胞を区別して解析できるようになり、平均値ではない集団のばらつきを情報として得ることができ、非常に稀だが重要な機能を持つ細胞の存在が初めて明らかになったり、がんの時間的な系譜を理解できるようになった。具体的なエフェクターであるタンパク質やその翻訳後修飾について同様の分解能で解析ができれば細胞機能と直結した情報を得ることができるようになり、核酸で推測したバリエーションより遥かに多様な実情が捕らえらえると想像する。この技術の発展は、特にヒトなど多細胞生物の理解の根本を刷新し、疾患の治療なども新たなフェーズに入る可能性がある。
必要な要素
質量分析によるタンパク質の同定の感度が現時点よりも向上すること、または何らかの方法でタンパク質の翻訳後修飾情報を含めた上で、シグナルを増幅する新規技術開発が必要となると思われる。