NISTEP注目科学技術 - 2020_E456

概要
電磁波(光)の波面が螺旋状の”光渦” は軌道角運動量という新しい自由度を持つ光で近年様々な分野で注目されている技術である。対象に照射するとトルクを与えることが可能なため分子を回転させたり、らせん構造をもつナノメートルサイズのニードルを生成することができ、ナノテク分野等での利用研究が進んでいる。また、光通信分野においては、光渦の波面の螺旋周期に情報を乗せることで、理論上いくつでもチャネル多重化が可能であり、次世代の大容量通信技術として期待されている技術である。
宇宙ジェットなど自然界に存在することが示唆されており、近年では加速器の放射が光渦の状態を持つことも確認されていて、非常に幅広い波長域での光渦が確認されている。最近では光子が軌道角運動量をもつ光子渦が、通常の光では禁制となる遷移を起こすことが示唆されており、光子渦と原子・原子核や素粒子との反応という新しい分野が拓かれようとしている。
キーワード
2020年調査にはこの項目はありません。
ID 2020_E456
調査回 2020
注目/兆し 2020
※2020年調査にはこの項目はありません。区別のため、便宜上 「2020」 としています。
所属機関 公的機関
専門分野 その他
専門度 -
2020年調査にはこの項目はありません。
実現時期 10年未満
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) 15 (素粒子、原子核、宇宙物理学)
分析データ クラスタ 37 (電磁波・光学・レーザー・光半導体)
研究段階
2020年調査にはこの項目はありません。
インパクト
2020年調査にはこの項目はありません。
必要な要素
光渦はレーザー光を特殊な波長板や回折格子を通すことによって生成が可能で、近年では発振器からの光渦を出す事が可能となっている。これらを利用し分子のカイラリティ制御による化学反応の制御や螺旋状ナノニードルの生成、また通信分野での螺旋周期の多重化による大容量通信は実証がされており、実用化に向けた研究開発が進められている。
一方、光子1個1個が軌道角運動量をもつ光子渦は、その発生方法に課題が残されており、これを効率よく発生させることができれば通常では起こせない遷移を自在に操ることができ物性研究での発展が見込まれるとともに、量子暗号通信などへの応用も期待できる。