NISTEP注目科学技術 - 2020_E448
概要
量子ビーム(線質の異なるイオンビームやガンマ線などのこと)を用いて既存の遺伝子を融合させ、新奇有用遺伝子を生み出す技術について調査すべきである。
近年、一つ一つの遺伝子を狙って壊せるゲノム編集技術が台頭してきた。ゲノム解読技術、オーソログ遺伝子解析技術とゲノム編集技術を組み合わせることで、既存の遺伝子を壊した変異体を効率良く作出することができるようになると予測される。しかし、複数個の遺伝子が同時に切断され、末端結合修復によって元とは異なる組み合わせで再結合したような、融合遺伝子を生み出す(見つける)ことは量子ビームにしかできない芸当である。
この技術が実用化されれば、生物の進化を遺伝子のレベルから論じることが可能となるばかりか、地球上のどの生物も持たないスーパー遺伝子資源の創成まで可能になる。
なお、この基盤的技術開発研究は、生物用の量子ビーム照射装置群を有し、量子ビーム変異誘発研究を推進してきた量研・高崎研で行うことで、インプットの最小化とアウトプットの最大化が図れる。
近年、一つ一つの遺伝子を狙って壊せるゲノム編集技術が台頭してきた。ゲノム解読技術、オーソログ遺伝子解析技術とゲノム編集技術を組み合わせることで、既存の遺伝子を壊した変異体を効率良く作出することができるようになると予測される。しかし、複数個の遺伝子が同時に切断され、末端結合修復によって元とは異なる組み合わせで再結合したような、融合遺伝子を生み出す(見つける)ことは量子ビームにしかできない芸当である。
この技術が実用化されれば、生物の進化を遺伝子のレベルから論じることが可能となるばかりか、地球上のどの生物も持たないスーパー遺伝子資源の創成まで可能になる。
なお、この基盤的技術開発研究は、生物用の量子ビーム照射装置群を有し、量子ビーム変異誘発研究を推進してきた量研・高崎研で行うことで、インプットの最小化とアウトプットの最大化が図れる。
キーワード
2020年調査にはこの項目はありません。
ID | 2020_E448 |
---|---|
調査回 | 2020 |
注目/兆し |
2020 ※2020年調査にはこの項目はありません。区別のため、便宜上 「2020」 としています。 |
所属機関 | 公的機関 |
専門分野 | ライフサイエンス |
専門度 | - 2020年調査にはこの項目はありません。 |
実現時期 | 10年未満 |
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) | 39 (生産環境農学) |
分析データ クラスタ | 6 (分子生物学/診断・治療) |
研究段階
2020年調査にはこの項目はありません。
インパクト
2020年調査にはこの項目はありません。
必要な要素
一般に、量子ビームによって植物に生じた突然変異は、照射個体ではなく、照射個体を自殖して得られた次世代以降の個体で調べられる。その理由の一つは、照射個体では変異細胞と正常細胞がキメラ状に存在するのに対し、すべての細胞が変異細胞であるような次世代以降の個体を用いることで、遺伝子解析が容易になるためである。
しかし、生殖過程において、遺伝子融合を起こすような大規模変異を有する細胞は減数分裂組換えが異常になるため、次世代に伝わりにくい。この技術開発研究をスムーズに実施するための肝は、遺伝子融合を照射個体で調べることである。
ここでは、照射個体に変異細胞と正常細胞が共存するという問題を解決する、ブレイクスルーの一例を示す。モデル植物シロイヌナズナで葉や種皮の色を支配するTT対立遺伝子座の片方が壊れた幼苗に量子ビームを照射する。育成後の植物体から、正常なTT対立遺伝子座も壊れて葉の色が変化したセクターを探す。このセクターは照射の時点で一つだった細胞がクローナルに増殖した細胞集団であるので、このセクターを切り取って全ゲノムシークエンス解析することで、照射個体における遺伝子融合を効率的に調べることができる。
しかし、生殖過程において、遺伝子融合を起こすような大規模変異を有する細胞は減数分裂組換えが異常になるため、次世代に伝わりにくい。この技術開発研究をスムーズに実施するための肝は、遺伝子融合を照射個体で調べることである。
ここでは、照射個体に変異細胞と正常細胞が共存するという問題を解決する、ブレイクスルーの一例を示す。モデル植物シロイヌナズナで葉や種皮の色を支配するTT対立遺伝子座の片方が壊れた幼苗に量子ビームを照射する。育成後の植物体から、正常なTT対立遺伝子座も壊れて葉の色が変化したセクターを探す。このセクターは照射の時点で一つだった細胞がクローナルに増殖した細胞集団であるので、このセクターを切り取って全ゲノムシークエンス解析することで、照射個体における遺伝子融合を効率的に調べることができる。