NISTEP注目科学技術 - 2020_E427
概要
新しい科学技術として、超高分解能共鳴非弾性軟X線散乱(RIXS)を用いた電子構造研究に注目している。
次世代テクノロジーの基盤となる巨大物性応答、省エネルギーデバイスを開発、設計する上で、物質の電子構造の詳細を明らかにすることは必要不可欠である。特に新しい超伝導体や磁性材料、熱電材料等の物性発現機構を解明する上で、電子のもつ電荷、軌道、スピンの自由度を分離観測することは極めて重要であると言える。RIXSは、高輝度放射光を物質に入射し散乱光を検出する光inー光out型の電子構造探索手法であるため、従来の電子分光法とは異なり電場、磁場を印加したデバイス駆動状態でのオペランド計測が可能であり、偏光や外場を適切に選ぶことにより、電子の複合自由度の情報を全て抽出することができる。さらに固体物質のみならず液体や気体、及びそれらの界面状態の電子構造を観測できる強力な分光手法であり、最近では体外式膜型人工肺(ECMO)のチューブ内血栓の生成機構の探索に利用される等、ライフサイエンス分野での活躍も期待されている。
一方で、散乱光を検出する計測手法であるため、非常にシグナルが小さく、さらに内殻吸収端における共鳴条件で測定する必要があるため、励起光エネルギー可変の高輝度放射光光源が必要不可欠である。この点において、次世代3GeV放射光(東北放射光)の完成が待たれる。
次世代テクノロジーの基盤となる巨大物性応答、省エネルギーデバイスを開発、設計する上で、物質の電子構造の詳細を明らかにすることは必要不可欠である。特に新しい超伝導体や磁性材料、熱電材料等の物性発現機構を解明する上で、電子のもつ電荷、軌道、スピンの自由度を分離観測することは極めて重要であると言える。RIXSは、高輝度放射光を物質に入射し散乱光を検出する光inー光out型の電子構造探索手法であるため、従来の電子分光法とは異なり電場、磁場を印加したデバイス駆動状態でのオペランド計測が可能であり、偏光や外場を適切に選ぶことにより、電子の複合自由度の情報を全て抽出することができる。さらに固体物質のみならず液体や気体、及びそれらの界面状態の電子構造を観測できる強力な分光手法であり、最近では体外式膜型人工肺(ECMO)のチューブ内血栓の生成機構の探索に利用される等、ライフサイエンス分野での活躍も期待されている。
一方で、散乱光を検出する計測手法であるため、非常にシグナルが小さく、さらに内殻吸収端における共鳴条件で測定する必要があるため、励起光エネルギー可変の高輝度放射光光源が必要不可欠である。この点において、次世代3GeV放射光(東北放射光)の完成が待たれる。
キーワード
2020年調査にはこの項目はありません。
ID | 2020_E427 |
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調査回 | 2020 |
注目/兆し |
2020 ※2020年調査にはこの項目はありません。区別のため、便宜上 「2020」 としています。 |
所属機関 | 大学 |
専門分野 | ナノテクノロジー・材料 |
専門度 | - 2020年調査にはこの項目はありません。 |
実現時期 | 10年未満 |
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) | 13 (物性物理学) |
分析データ クラスタ | 48 (スピントロニクス) |
研究段階
2020年調査にはこの項目はありません。
インパクト
2020年調査にはこの項目はありません。
必要な要素
小さなシグナルを高効率、高エネネルギー分解能で測定するために、最先端の二次元散乱光検出器の開発が必要不可欠である。