NISTEP注目科学技術 - 2020_E407

概要
1.単一分子レベルの吸収分光が可能な超高感度分光手法および生体応用技術
生体機能のコアとなるのはタンパク質に埋め込まれた機能分子であり、安定状態(平衡状態)からずれた非平衡状態で機能を発揮する。
そのため、この非平衡状態を調べることこそ、生体機能の分子メカニズムの理解にとって本質的に重要である。
これまでは、実験のやり易さから、レーザーなどの外部刺激で反応の開始時間を制御できる反応系が調べられてきた。
しかし、多くの生体反応(酵素反応や酸化還元反応など)は分子同士の物理接触や溶液条件の変動などによってトリガーされるため、実験で制御するのが難しく、研究が遅れている。
そこで、単一分子を観察し、確率的に生じる生体反応を検出する実験手法が望まれる。
ここで分光解析まで行えれば、エネルギーレベルなどの物理的な情報を含めた詳細な議論が可能となる。
ここ30年の間に単一分子の蛍光分光法が開発され、生体応用が進んできたが、単一分子の吸収検出に成功した例は皆無に等しい。
多くの生体機能分子は吸収特性を示すものの、無蛍光性である場合がほとんどであり、単一分子吸収分光の実現によって開拓できる研究領域は大きい。
キーワード
2020年調査にはこの項目はありません。
ID 2020_E407
調査回 2020
注目/兆し 2020
※2020年調査にはこの項目はありません。区別のため、便宜上 「2020」 としています。
所属機関 大学
専門分野 ライフサイエンス
専門度 -
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実現時期 10年未満
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) 32 (物理化学、機能物性化学)
分析データ クラスタ 54 (理化学/分子化学)
研究段階
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インパクト
2020年調査にはこの項目はありません。
必要な要素
1.単一分子レベルの吸収分光が可能な超高感度分光手法および生体応用技術
新規顕微分光技術、量子光学などの最先端光学技術と分光・顕微技術との融合、超微弱信号の検出技術