NISTEP注目科学技術 - 2023_E173

概要
タンパク質などの立体構造を予測することは医療・物質デザインなどの分野で重要である。医療の分野では新しい薬剤設計に役立ち,また現在使用されているマテリアルの代替物としてタンパク質を利用することも提案されてきている。
以上のようなことからタンパク質や関連する生体分子の構造を予測・デザインすることは重要であり,最近では主に機械学習の発展とデータベースの充実から技術の進展が速くなっている。例えばAlphaFold2と呼ばれる方法においては,タンパク質の配列のみからその立体構造を精度よく予測することが可能となっている。
しかしながら,タンパク質の複合体・有機化合物との結合体など,薬剤設計を行う際に必要とされる複雑な分子構造の予測やデザインはまだ発展途上である。このようなことを背景に複雑な分子構造の予測・デザインの方法が様々に提案されてきている。
このようなものの中で注目されているものとして拡散モデルがある。拡散モデルは画像の生成などの分野において注目されており,例えばAIの絵などとして見られるものはこのような技術が採用されていることが多い。拡散モデルは画像の分野だけではなく上記で述べたようなタンパク質構造予測分野においても利用される研究が出始めてきた。このような方法を利用するメリットは,画像の分野でも明らかにされているように,学習したものとはそれほど類似しないものを生成することができることである。これは新しい薬剤などの化合物を生成する際などに役立つものであり,このような技術の確立が期待されている。
キーワード
拡散モデル / タンパク質構造予測 / 生成モデル / 機械学習
ID 2023_E173
調査回 2023
注目/兆し 注目
所属機関 大学
専門分野 ライフサイエンス
専門度
実現時期 5年未満
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) 43 (分子レベルから細胞レベルの生物学)
分析データ クラスタ 46 (データサイエンス/機械学習・AI)
研究段階
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インパクト
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必要な要素
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