NISTEP注目科学技術 - 2020_E340
概要
エアロゾルデポジションは、エアロゾル状に分散させた微粒子を、微減圧(1kPa程度)チャンバー内に設置された基板に空間に噴射することにより薄膜を形成する方法である。本方法は、サブミクロンオーダーの微粒子を凝集させることなく基板に輸送する事ができるため、微粒子を溶融させることなく強固な粒子間結合力を持つ薄膜を形成する事ができる。現在は、エアロゾルをプラズマに投入することにより、微粒子表面を活性化させ、基板との密着力及び薄膜そのものの強度を著しく向上させることに成功している。なお、本方法の更なる利点として、ナノオーダーの微粒子の使用が可能であることから、ナノレベルの微細組織、組成制御が可能な高速薄膜合成法として、半導体薄膜(特に酸化物半導体薄膜)の分野で有用なプロセスになるものと考えられる。
キーワード
2020年調査にはこの項目はありません。
ID | 2020_E340 |
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調査回 | 2020 |
注目/兆し |
2020 ※2020年調査にはこの項目はありません。区別のため、便宜上 「2020」 としています。 |
所属機関 | 大学 |
専門分野 | ナノテクノロジー・材料 |
専門度 | - 2020年調査にはこの項目はありません。 |
実現時期 | 10年未満 |
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) | 26 (材料工学) |
分析データ クラスタ | 27 (理化学/半導体・ナノ・材料) |
研究段階
2020年調査にはこの項目はありません。
インパクト
2020年調査にはこの項目はありません。
必要な要素
エアロゾルデポジションは、従来の半導体製造プロセスに比べ、大気雰囲気での施工が可能、微粒子を原料に用いるためCVDやPVDに比べて薄膜形成速度が高いうえ微細組織及び組成の制御が容易など、多くの利点を有している。しかし、原料に微粒子を用いるため原料製造コストが高く、少量多品種の場合はメリットを維持する事ができるが、大量生産のフェーズに入るとランニングコストの高さがネックになる。それゆえ、CVDやゾル・ゲル法で用いられる出発原料をそのまま使用し、加水分解等で合成した微粒子をそのままエアロゾルとして基材に吹き付けるという、微粒子製造・薄膜形成一貫プロセスの開発を行い、大量生産にも対応できるプロセスに発展してゆくものと考えられる。