NISTEP注目科学技術 - 2020_E305

概要
二次元物質を利用した機能性材料の創出と次世代の電子デバイス応用:
近年、グラフェン、六方晶窒化ホウ素(hBN)、遷移金属ダイカルコゲナイドなどの、原子厚の極薄シート(二次元物質)が、次世代の電子デバイス応用を中心に大きな注目を集めている。二次元物質は、その構造より、究極的に小さく、また消費電力を極限まで抑えた電子デバイスの実現するための有力候補として世界中で研究が進んでいる。
特に、複数の二次元物質を重ねることで、従来の結晶材料では困難であった、格子定数に制限されない異種物質の接合が可能となる。特に、二枚の二次元物質を重ねる角度を変えることで、その積層構造としての性質を変調することも可能である。この特徴より、極めて多くの物質の組み合わせが可能になり、多種多様な機能性材料の創出につながる可能性を有する。実際に、二枚のグラフェンシートを、結晶方位をわずかにずらして重ねることで超伝導や絶縁体を実現した例が報告されている。また、電子デバイスとしては二種類の半導体二次元物質を重ねることで、様々な電気的性質を持つ材料からなる半導体ヘテロ構造を形成できる。
キーワード
2020年調査にはこの項目はありません。
ID 2020_E305
調査回 2020
注目/兆し 2020
※2020年調査にはこの項目はありません。区別のため、便宜上 「2020」 としています。
所属機関 大学
専門分野 ナノテクノロジー・材料
専門度 -
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実現時期 10年未満
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) 28 (ナノマイクロ科学)
分析データ クラスタ 27 (理化学/半導体・ナノ・材料)
研究段階
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インパクト
2020年調査にはこの項目はありません。
必要な要素
極めて高品質な二次元材料を大面積で成膜し、自在に集積する技術に関するブレイクスルー。
実際に二次元物質を実際に応用していくには、高品質かつ大面積の二次元物質を成膜する合成技術と、集積化するプロセス技術の開発が必要不可欠である。現状では、二次元物質の合成に関しては再現良く可能になってきたが、結晶性や結晶サイズの改善に関する合成研究は今後の大きな課題である。また、集積プロセスは未だマイクロメートルサイズの小さな結晶を対象とした場合がほとんどであり、ウエハーサイズの大面積で実証した例は少ない。