NISTEP注目科学技術 - 2020_E301
概要
超伝導デバイスを用いた高速・低エネルギーディジタル集積回路の研究が近年、日本と米国を中心に大きく進展しており、高性能コンピュータの実現に近づいている。本技術には、動作周波数において50GHzを超える単一磁束量子回路や、消費エネルギーにおいて最新の半導体回路に対して5桁以上優れた断熱量子磁束回路などの幾つかの回路方式があり、これらを組み合わせて高性能な情報処理が可能である。動作温度は4.2Kであるが、冷却コストを含めても高エネルギー効率の情報処理システムが実現できる。超伝導量子コンピュータを極低温で制御することも可能であり、大規模量子コンピュータ実現のためのキーテクノロジーとしても期待されている。現在、日本では産総研が、米国ではMITが高度な超伝導集積回路技術を研究開発しており、日米の研究グループで活発な研究が進められている。特に日本においては、世界に先駆けて超伝導マイクロプロセッサの動作実証が行われている。
キーワード
2020年調査にはこの項目はありません。
ID | 2020_E301 |
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調査回 | 2020 |
注目/兆し |
2020 ※2020年調査にはこの項目はありません。区別のため、便宜上 「2020」 としています。 |
所属機関 | 大学 |
専門分野 | 情報通信 |
専門度 | - 2020年調査にはこの項目はありません。 |
実現時期 | 10年未満 |
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) | 21 (電気電子工学) |
分析データ クラスタ | 38 (計算機・電気通信・通信デバイス・量子計算機) |
研究段階
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インパクト
2020年調査にはこの項目はありません。
必要な要素
マイクロプロセッサの動作実証などを通して超伝導デジタル集積回路の性能の原理的な検証は行われている。ただし、現在の超伝導集積回路の設計ルールは1μmであり、回路の高集積性に課題がある。十分な投資による製造技術の研究開発を行い、より高集積な回路を実現できれば大きなブレイクスルーとなる。また、大規模回路設計に必要なCADツールの開発も今後必須の技術であり、これらを実施すれば10年以内に高性能超伝導コンピュータの実現が可能である。