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NISTEP注目科学技術 - 2023_E154

HGB（human genetic bycatch）：環境中の基質（水、砂、空気）から高品質のヒト環境DNAを収集し、医療、法医学、環境科学などの分野で応用すること。

野生生物や病原体に関する環境DNAプロジェクトにおいて採取された試料からヒトの遺伝物質を収集することが可能となっている。
ヒトの居住地から遠い場所で得られた水試料と近い場所で得られた水資料、砂浜に残されたヒトの足跡、ヒトのいる部屋といない部屋の空気など、さまざまな条件の資料からヒトの遺伝物質を収集できている。
それらのなかには、個人が特定できたり、祖先や疾患感受性などの属性が判定できるほど質の高い試料も含まれている。

今後、ヒトゲノムの特に情報量の多い領域を標的にすることにより、ヒト環境DNAを対象とした個人特定のアプリケーションも実現可能になるものと考えられる。

環境DNA研究においては、遺伝情報所有者のインフォームドコンセントを事前に得ることが現実的ではないため、同意、プライバシー、データの所有権など、倫理的な問題を引き起こすことが懸念される。

倫理的な問題に対する解決策を作る必要がある。