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NISTEP注目科学技術 - 2023_E136

食品ロスの削減と再生利用に向けた技術革新。
現状では、食品ロスに関しては、発生の抑制、再生利用、熱回収などが実施されている。
発生抑制については、AIの活用による需供マッチングが、今後大きな効果を生み出すと期待される。
また再生利用については、飼料化・肥料化・菌床利用などが進められており、それらによるCO2抑制効果面での評価が期待される。同時に、日本では普及がまだ進んでいない海外のようなフードバンク等Food recoveryの導入とシステム構築の可能性の検討が期待される。

AIの活用やFood recoveryについては、一部の研究室で開発されている段階で、まだ社会実装までには途上にあると思われる。
飼料化・肥料化・菌床利用などによるCO2抑制効果面での評価は企業との共同研究が進んでいる段階にあると考えられる。

特にAIの活用によるマッチングが行われた場合、従来の生産・食品流通システムだけでは限界があると想定される。特に個々の農家を巻き込まない限り、農地での廃棄も発生しうることから、どのように農家を巻き込み新たな流通を構築していくのかという検討から始める必要がある。そのため新たなサービス・事業・産業の創出や既存産業の発展への寄与につながる可能性が高い。
またCO2抑制効果については、まずは技術面でのCO2排出抑制にむけては、まだ小規模分散化した場合でも効率的な技術・処理機器の改善の余地は十分にある。より効果的な技術・処理機器の改良等が依然として必要であり、技術・素材・製品・製法等の改良につながると考えられる。Food recoveryについては、食品を再配分するということを社会が受け入れられるかという問題もあり、導入に向けたボトルネックやその解決に向けた新たな社会システムや価値観の創出が何よりも重要になると考えられ、社会の健康・幸福度向上、くらし・ライフスタイルの改善につながると考えられる。

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