NISTEP注目科学技術 - 2022_W76

概要
光が有する運動量を用いて微小物質の運動制御を行う「光マニピュレーション」技術による、ナノ物質の個別特性の選別や配列構造の作製が挙げられる。これをサイズや形状の精緻な制御を伴った作製手法が確立されていないナノ物質に適用することにより、学術分野はもとより、創エネ、省エネ、情報処理の高速化など、実社会への影響も大きな材料科学の革新に至るものと考えられる。すなわち、高い光電変換効率を示す太陽電池や発光材料あるいは量子情報処理に利用可能な半導体ナノ粒子にこの技術を適用すると、性能の高いもの、あるいは所望の性能(例えば、特定の吸収あるいは発光波長)を示すもののみを選別したり配列したりすることが可能となる。具体的には、室温における量子情報処理への適用が期待されているナノダイヤモンド中のNV中心(窒素欠陥)の作製は原始的な段階であるが、作製されたナノダイヤ集団の中からNV中心の含有数が確定した集団の分離などが可能となる。また、薬害で知られる光学異性体の分離においても、光の角運動量を用いることによって対象物質によらず選別が可能となる。これらの原理検証までは行われている。
キーワード
量子技術 / 新材料 / 再生可能エネルギー
ID 2022_W76
調査回 2022
注目/兆し 兆し
所属機関 大学
専門分野 ナノテクノロジー・材料
専門度
実現時期 -
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) 21 (電気電子工学)
分析データ クラスタ 27 (理化学/半導体・ナノ・材料)
研究段階
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インパクト
2022年調査にはこの項目はありません。
必要な要素
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