NISTEP注目科学技術 - 2023_E129

概要
月面資源開発の技術。NASAの主導するアルテミス計画により,月面への有人飛行への期待が高まっている。そこで注目されるのは,「なぜ月へ行くか」であろう。火星飛行への中継地と紹介されることも多いが,月面着陸を第一の目的として資源として活用することが国民への理解向上の要素となると思われる。今後は,月の資源活用について,月面の調査を含め,資源としてコストパフォーマンスを上げる技術開発が必要とされると考える。
キーワード
宇宙利用 / 宇宙資源 / 宇宙環境
ID 2023_E129
調査回 2023
注目/兆し 注目
所属機関 大学
専門分野 宇宙・海洋・科学基盤
専門度
実現時期 5年以降10年未満
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) 24 (航空宇宙工学、船舶海洋工学)
分析データ クラスタ 2 (マシンインテリジェンス/センシング・データサイエンス)
研究段階
月面利用については,民間企業が参入したローバー開発などが進んでいる。資源としては,最も現実性があるのが「水」の供給であるが,アルテミス計画による月の極域の調査により今後5年で詳細が分かってくると考えられる。ただし,月面の内部構造等,まだ不明な点が多くあり,まだ必要な研究があると考える。
インパクト
地球以外の資源,宇宙利用という意味で人類にとって大きな意味がある。月そのものの調査に加えて,資源利用の技術開発を日本独自で進めることは国際的にもインパクトが高い。
必要な要素
宇宙開発への投資が必要とされる。日本のロケット打ち上げについては,注目を浴びているものの必ずしも好意的な意見ばかりではないように見える。積極的な投資に加えて,「なぜ月にいくか」を社会で共有できるような取り組みも必要とされると考えられる。