NISTEP注目科学技術 - 2022_W17

概要
最小ゲノム生物の探索、あるいは作出は、将来大きな学術的なインパクトを及ぼすかもしれません。現在、人間が培養可能な生物のなかで最も単純なものは、クレイグ・ベンター研で開発されたマイコプラズマで、ゲノムサイズは約1 Mbpです。遺伝子の数にして約500個の遺伝子を持ちます。これ以上小さいゲノムを持つ生物は、メタゲノム解析から見つかってはいますが、培養はできていません。他の生物と共生する生物ではないかと言われています。一方で、理論的に予想される培養可能な最小生物はもっと小さく、200-300遺伝子で可能だと言われています。この理論的に最小の生物を見つけるか、遺伝子欠損などにより人工的に作出できると、その生物には大きな利用価値があると思います。最小生物は、必要最低限の遺伝子しかもたず、ゲノムサイズは小さく、ゲノムの全合成が容易です。また遺伝子間相互作用もすくないため、おそらく人間が自由に改変し、望みの代謝機構をもつような生物を設計できると期待されます。この最小生物は今後の生物改変のプラットフォームとして使われる可能性があると思います。
キーワード
最小生物 / ゲノム合成 / 生物合成
ID 2022_W17
調査回 2022
注目/兆し 兆し
所属機関 大学
専門分野 ライフサイエンス
専門度
実現時期 -
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) 38 (農芸化学)
分析データ クラスタ 51 (生物生態・多様性)
研究段階
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インパクト
2022年調査にはこの項目はありません。
必要な要素
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