NISTEP注目科学技術 - 2022_E377

概要
ニューロモーフィックコンピュータによる移動体やロボットの高度自律化。既存の深層学習などの人工的なモデルによるニューロンではなく、生物の脳神経回路を模倣したニューロンモデルを用いて移動体やロボットの高度自律化と脳レベルの低消費電力な情報処理の実現を目指す研究である。一部の応用に関しては、現状の深層学習技術を凌駕する精度や処理効率を達成するとの報告もある。現在盛んに研究されている深層学習技術は大脳の視覚野と類似した階層構造を持つため、主に画像を中心に応用として成功している。一方で、運動制御など移動体やロボットの高度自律化に相当する機能は、人間の脳においては、脊髄、大脳基底核、小脳など多様な脳領域に担われている。そのため、ニューロンの活動をスパイクをベースにモデリングするニューロモーフィック計算を原理とするアプローチの方が、これらの運動制御においては精度と効率の両面から優位性があることが見込まれている。
キーワード
ニューロモルフィックコンピュータ / 低消費電力な情報処理 / ドメイン特化型コンピューティング技術 / 知能ロボット技術
ID 2022_E377
調査回 2022
注目/兆し 注目
所属機関 大学
専門分野 情報通信
専門度
実現時期 10年以降
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) 61 (人間情報学)
分析データ クラスタ 18 (マシンインテリジェンス/ロボティクス・人間工学)
研究段階
現状では、移動体やロボットの運動制御に関しては、強化学習が主に使われているが、一部の応用に関しては、ニューロモーフィック計算が深層強化学習を凌駕する精度や処理効率を達成するとの報告もされている。今後は、ニューロモーフィック計算に特化するドメイン特化型コンピュータに向けてハードウェアとプログラミングモデルが成熟することにより、革新的な処理効率を引き起こすブレークスルーを誘発していくことが必要であろう。
インパクト
2022年調査にはこの項目はありません。
必要な要素
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