NISTEP注目科学技術 - 2022_E370

概要
国内林業の高効率化のための各種林業技術。今後、環境保護のために化石資源の採掘の減少が見込まれるなかで、それを代替するエネルギーや原材料の確保の必要性が高まっていくと考えられます。その代替的なエネルギーや原材料の選択肢の一つとして考えられるのが森林資源です。日本国内の各種エネルギーや資源の賦存状況等と、エネルギーや資源を国内で自給することの意義とをあわせて考えると、日本では森林が今後重要となる可能性が小さくないです。しかし、森林を活用するための林業自体は低調にありますし、他産業と比べて決して効率の良いものになっていません。今後、どこまで森林を資源として活用すべきか、そして活用できるようになるかは、たとえば国際政治や国際経済など、予想ができない様々な要因がからむために未知数です。しかし、技術開発をしておく価値はあるだろうと考えています。
期待される技術の内容は、基本的には林業の各過程の既存技術の改良と普及であって、大きなブレイクスルーの必要とされるものではないと考えています。具体的には、林道開設、造林、除草・下刈り、間伐、伐倒・枝払い、集材・搬出の各過程で用いられる各種機材の高性能化です。
キーワード
林業技術 / 林業の効率化 / 森林資源利用
ID 2022_E370
調査回 2022
注目/兆し 注目
所属機関 団体
専門分野 環境
専門度
実現時期 10年以降
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) 40 (森林圏科学、水圏応用科学)
分析データ クラスタ 2 (マシンインテリジェンス/センシング・データサイエンス)
研究段階
基本的に必要とされているのは既存技術の改良と普及だと考えています。要素技術の改良や海外および他の分野からの転用が、公的な研究機関・試験場を中心に取り組まれていますが、林業自体の低調さを受けて、あまり大きくは進んでいないように思います。
インパクト
2022年調査にはこの項目はありません。
必要な要素
基本的には、将来の森林資源の活用を見据えた公的・社会的な投資と研究規模の拡大、優秀な人員の配置なのだと思います。