NISTEP注目科学技術 - 2022_E366
概要
細胞あるいは細胞小器官の解剖学あるいはイメージング。たとえば、海洋の低次生産者であるプランクトンの多くは単細胞生物であり、それらが果たす生態学的な役割及び物質循環に与える影響は大きい。一方で、一部のモデル生物を覗くと、それらの生理・生体などの生産に関わる機構の解明は十分ではない。これらの課題解明のために、これまでは野外より採取した細胞を継代培養することで実験室内での観察や実験を行なってきたが、継代培養がボトルネックとなり多種多様な分類群に広げることができずにいた。一方で、野外採取した試料を速やかに観察あるいは速やかに固定後に時間をかけて、高解像度で観察することで、培養ができない分類群に対してもその生理・生体に迫ることが期待される。
キーワード
バイオイメージング / 海洋生態系 / 細胞小器官の固定技術
ID | 2022_E366 |
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調査回 | 2022 |
注目/兆し | 注目 |
所属機関 | 公的機関 |
専門分野 | ライフサイエンス |
専門度 | 中 |
実現時期 | 5年以降10年未満 |
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) | 45 (個体レベルから集団レベルの生物学と人類学) |
分析データ クラスタ | 51 (生物生態・多様性) |
研究段階
細胞質に対しては光学顕微鏡、電子顕微鏡を用いた染色像の観察、高組織の観察にはX線マイクロCTなどが用いられている。両者を同時に観察するためには、適切に固定した試料を用いてFIB-SEMで断面観察するなどの方法があるが、まだ網羅的に適用するには至っていない。
インパクト
2022年調査にはこの項目はありません。
必要な要素
科学的に有意な情報を得るためには、アーチファクトを抑え、多数の個体を観察する必要がある。そのためには、観察手法の改善、観察コストを下げる技術に期待がかかる。