NISTEP注目科学技術 - 2022_E337

概要
パワーレーザーを物質に照射すると,極めて高いエネルギー密度(高密度,高温度)の状態を得ることができる.この高エネルギー密度状態下では,その物質が相転移を起こして別の結晶構造になったり,融解して更にプラズマ化するなど,様々な状態に変化させることができる.すなわち新しい物質の創成や物質の形状変化(レーザー加工)などに応用することが可能である.このような高いエネルギー状態は,宇宙や地球・惑星の内部などの極限状態を再現するために有効なツールとなることから,様々な分野に亘る展開がなされている.また,この極限状態の一つとして,核融合反応を起こすような条件を得ることにより,クリーンエネルギー源の開発を目的としたレーザー核融合炉も進展している.
キーワード
高エネルギー密度 / 新物質創成 / 宇宙デブリ除去 / 量子ビーム線源 / 水素製造 / レーザー加工 / 真空の物理 / 核融合 / 宇宙物理 / 惑星科学 / 粒子加速
ID 2022_E337
調査回 2022
注目/兆し 注目
所属機関 公的機関
専門分野 エネルギー
専門度
実現時期 5年以降10年未満
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) 14 (プラズマ学)
分析データ クラスタ 9 (素粒子・原子核・宇宙物理学)
研究段階
項目によって異なる.
インパクト
2022年調査にはこの項目はありません。
必要な要素
パワーレーザーの応用という観点では,パワーレーザーそのものの開発が必須である.高エネルギー,高ピークパワーに加え,高平均出力(照射繰り返しの高い)パワーレーザーの開発が活発に行われている.とりわけレーザーダイオード励起,セラミック結晶を用いた次世代のパワーレーザー開発が主であり,この製作コストの低減がこの分野の進展のカギを握っている.