NISTEP注目科学技術 - 2022_E328

概要
「超解像蛍光顕微鏡による生命現象の解明と再生医療・創薬への応用」
 超解像蛍光顕微鏡が実用化されたことにより、生きた細胞や化学反応が進行する様子をナノメートルの空間分解能で観察することが可能となってきた。近年、超解像蛍光顕微鏡で利用可能な蛍光色素・蛍光蛋白質・蛍光性金属ナノクラスターの開発が活発化し、様々な生体試料の観察が行われている。また、従来観察不可能だった微小なバクテリアの細胞骨格のライブイメージングも可能となっており、再生医療、創薬、微生物学の分野における超解像蛍光顕微鏡を利用した超高解像度観察に関する研究は注目に値する。
キーワード
超解像 / 蛍光プローブ / 金属ナノクラスター / 再生医療・創薬 / 微生物 / ウイルス
ID 2022_E328
調査回 2022
注目/兆し 注目
所属機関 大学
専門分野 ナノテクノロジー・材料
専門度
実現時期 5年以降10年未満
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) 28 (ナノマイクロ科学)
分析データ クラスタ 6 (分子生物学/診断・治療)
研究段階
超解像蛍光顕微鏡によるナノイメージングを活用しようという動きは、2014年のノーベル化学賞受賞以来高まっている。従来の蛍光顕微鏡手法と比較して10倍の空間分解能を実現可能であるために、細胞への薬剤の影響の初期過程、微細な変化を観測することが可能であり、創薬・再生医療の分野での診断に活用可能であることが示されつつある。
インパクト
2022年調査にはこの項目はありません。
必要な要素
超解像蛍光顕微鏡システムにおける装置開発は既に成熟して市販の測定装置もある。しかしながら、測定対象と測定条件を適切に設定するのが難しいために、あまり普及していない。COVID-19のようなウイルスによるパンデミックは、微細な構造を観察するニーズが増加するという点で、本技術の実現を加速する可能デイがある。