NISTEP注目科学技術 - 2022_E313
概要
ジェスチャインタフェースは身体を使用してコンピュータやスマートフォンなどのデバイスを操作するためのインタフェースである。近年はバーチャルリアリティ(VR)やオーグメンテッドリアリティ(AR)の普及により、マウスやキーボード、タッチ操作に変わるインタフェースの模索が続いており、この有力な候補としてジェスチャインタフェースがある。ジェスチャインタフェースは、身体動作の計測と、機械学習による認識技術によって実現されている。現代においては、カメラや簡単なウェアラブルセンサによるジェスチャインタフェースが多いが、今後は常時利用可能な身体と一体となるようなデバイスによるジェスチャインタフェースの登場と、その普及が期待される。
キーワード
ジェスチャインタフェース / ユーザインタフェース / ヒューマンコンピュータインタラクション / 機械学習 / 身体動作
ID | 2022_E313 |
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調査回 | 2022 |
注目/兆し | 注目 |
所属機関 | 大学 |
専門分野 | 情報通信 |
専門度 | 高 |
実現時期 | 10年以降 |
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) | 61 (人間情報学) |
分析データ クラスタ | 18 (マシンインテリジェンス/ロボティクス・人間工学) |
研究段階
人の身体動作のバリエーションは無限といって良いほど多く、このため現在は実用的に利用可能なインタフェースの提案に関する研究や、様々なセンサを用いた人の身体動作の計測技術の研究が行われてきている。身体動作の認識は機械学習器を用いることが多く、このため、機械学習等の人工知能(AI)技術の応用に関する研究の進展とともに発展してきた研究分野であると言える。現在は、日本においては研究領域として確立されておらず、各研究者が細々と研究を推進しているが、AppleやGoogleはスマートフォンやスマートウォッチなどの小型のデバイスのインタフェースとしてジェスチャインタフェースを採用し始めており、今後より高度な身体計測技術の登場と共に、急速に普及する可能性があるため、そのための基礎研究が重要な段階である。
インパクト
2022年調査にはこの項目はありません。
必要な要素
身体計測技術の進歩が、ジェスチャインタフェースの実現に向けて必要な要素である。特に、身体計測を行うセンサの小型化はインタフェースのユーザビリティに直接関係する。また、機械学習に関する技術の進歩も重要である。ジェスチャインタフェースは身体を利用するという観点で、人が常に少し大きく動き続ける必要がある。これに関する社会的な受容についても良く検討される必要がある。