NISTEP注目科学技術 - 2022_E308

概要
建設材料として世界中で使用されているセメント系複合材料は,陸上,地中,海中,寒冷地,温泉地など様々な環境に適用されるため様々な化学的作用が生じ,それに伴い力学機能が変化する.化学的作用により,セメント硬化体がポーラスになったり新たな析出物を生成したりするように,セメント水和組織が変質する.この水和組織の変質と力学機能を関連づける力学モデルが開発されると,材料安定性の予測技術に構造安定性の情報を組み込むことができるため,供用期間中の構造物の材料的・力学的状態の評価が可能となる.地中・海中構造物などモニタリングや維持管理が困難な場合や,放射性廃棄物処理施設の超長期的な予測に貢献する.
キーワード
材料劣化 / 力学モデル / セメント系複合材料
ID 2022_E308
調査回 2022
注目/兆し 注目
所属機関 大学
専門分野 社会基盤
専門度
実現時期 5年以降10年未満
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) 22 (土木工学)
分析データ クラスタ 58 (土木・建築・防災)
研究段階
セメント系複合材料の材料安定性および構造安定性に関する数値解析を駆使した予測技術はそれぞれ個別に発展しているが,両者を紐付ける解析システムは未だ確立されているとは言えない.課題となるのは,セメント水和組織の変質と力学機能との一貫した関連性を評価されていないことが原因である.これが解決されれば,この分野は飛躍的に発展すると考えられる.
インパクト
2022年調査にはこの項目はありません。
必要な要素
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