NISTEP注目科学技術 - 2022_E307

概要
宇宙環境変動の予測技術:
人類の宇宙進出に伴い、宇宙環境変動の正確な予測が必要になってきた。宇宙観測計測技術の重要性は近年の発展によって、実用化されつつあるものも出てきた。一方、そのような計測データから未来の宇宙環境を予測する技術はまだ開発段階である。例えば、NASAやNOAAの出す太陽嵐の地球への到達の24時間前予測には約10時間もの誤差がある。地球の気象予報のように、データ同化や大規模数値シミュレーションの技術を用いて、宇宙環境計測データを同化し、予報精度を向上し、宇宙環境にある人や飛翔体が対応を取れる程度のリードタイムで予報を出す技術が必要とされている。
キーワード
データ同化 / 数理モデリング / 自然災害 / 宇宙環境
ID 2022_E307
調査回 2022
注目/兆し 注目
所属機関 大学
専門分野 宇宙・海洋・科学基盤
専門度
実現時期 5年以降10年未満
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) 17 (地球惑星科学)
分析データ クラスタ 14 (気候)
研究段階
基礎的なモデルを研究室で開発段階にある。既に運用に使われているモデルもあるが、精度が低く実用性に乏しい。まずは宇宙環境計測データから原理を理解し、データ同化・数値シミュレーション等の先端的ICT技術も応用しつつモデルを開発すべき段階にある。また、地球の防災技術で得られた知見を応用することも必要になる。
インパクト
2022年調査にはこの項目はありません。
必要な要素
宇宙環境の予測シミュレーションは専門性が高いキーワードに見えるが、実際は一般的なICT技術や地球の防災技術の応用である。その理解が普及すれば、企業との共同研究がもっとやりやすくなると考えられる。特に防災大国として多くの防災関連企業を有する日本が宇宙開発でリードできる分野として期待されるので、普及活動も重要と考えられる。