NISTEP注目科学技術 - 2022_E306

概要
有機農業の促進,微生物の働きや有機農業の仕組みをさらに解明していき,生産,政策に活かす基礎的知見を増やしていくことが重要。
キーワード
有機農業 / 微生物 / みどりの食料システム戦略
ID 2022_E306
調査回 2022
注目/兆し 注目
所属機関 大学
専門分野 ものづくり
専門度
実現時期 10年以降
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) 41 (社会経済農学、農業工学)
分析データ クラスタ 50 (農業・森林)
研究段階
有機農業についての研究は進んでいるが,消費者の意識,価格,流通といった点でまた一般化されているとは言いにくい。みどりの食料システム戦略が策定され,今後は有機農業が注目されていく。また持続可能な開発を維持していくためには有機農業の促進が欠かせない。
みどりの食料システム戦略に掲げられていることが実現できるようにするためには,栽培分野において有機農法の確立及び普及が必要である。また,消費行動や流通に置いても,システムの構築や意識改革など経済的側面からの研究が求められる。これら意識改革が起これば,生産および消費に係るパラダイムシフトが起こる可能性がある。

例えば,学校給食において有機農産物を取り入れる取り組みが行われているが,その取り組みを推し進め,生産者,消費者,流通等の意識の変容し,持続可能な経済及び食料生産システムとなるよう,環境,経済,社会それぞれの側面からの研究成果が求められるとともに,政策への反映が期待される。
インパクト
2022年調査にはこの項目はありません。
必要な要素
有機農業をさらに進展させるためには有機農業に係る学術研究及び研究成果の蓄積が欠かせない。しかし,有機農業は微生物といった非常に分析が困難である要素を多分に含んでいる。どのような微生物が土壌や作物へどのように影響を及ぼしているか明らかにすることができれば,有機農業のさらなる発展とともに科学的根拠をもった理解へとつながり,普及の速度がさらに促進されるものと考えられる。また,有機農産物の流通システムが確立されるまでは経済的支援が重要と考えられるため,政策面や経済面の研究も必要となるであろう。