NISTEP注目科学技術 - 2022_E281

概要
人工知能を用いた微化石の自動認識と自動分類。微化石とは1mmにも満たない小さな化石の総称であり、これらの多くは海洋プランクトンの遺骸である。そのため、海底で堆積した地層中に多数含まれている。これを示準化石として地層の新旧を判別したり、その地質年代を推定するために用いられてきた。また海洋環境を示す示相化石としても役立てられてきた。従来は熟練の研究者による鑑定が必要であったが、多大な労力と時間がかかることが課題であった。人工知能を用いてこの課題を解決し、過去2億年間の全球的な海洋プランクトンの多様性変動ビッグデータの構築など、さらなる課題への挑戦が期待される。
キーワード
人工知能 / ビッグデータ / 生物多様性
ID 2022_E281
調査回 2022
注目/兆し 注目
所属機関 公的機関
専門分野 ライフサイエンス
専門度
実現時期 5年以降10年未満
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) 17 (地球惑星科学)
分析データ クラスタ 62 (地震・プレート・地層・マントル)
研究段階
この技術は試験段階に入っている。限られた対象に適用された結果において、自動認識、自動分類の両面で十分な精度を示している。今後は、それをより広範囲(すなわちたくさんの標本資料)に適用するための技術やシステムの構築が必要である。
インパクト
2022年調査にはこの項目はありません。
必要な要素
人工知能を搭載したコンピュータやアプリケーションの能力の向上とともに、それらの技術が安く提供されることが必要。加えて、多くの研究者を結ぶネットワーク、効率的に画像データを収集するデータベースシステムの改善が必要。