NISTEP注目科学技術 - 2022_E280

概要
天体・宇宙の進化や核融合炉の開発などでかかせないプラズマの複雑流動現象の解明・予測のためには、多次元・多成分・多スケール・大域的なダイナミクスを扱う超並列大規模シミュレーションが不可欠なる。富岳やプラズマシミュレータ雷神などを活用したシミュレーション研究では、場と結合した複雑多体系であるプラズマに発達する乱流現象などが詳細に調べられており、その計算モデル・アルゴリズム・並列化手法・解析手法などは他の学問分野に大きなインパクトを与えるものとして発展している。今後さらなる発展が期待される。
キーワード
マルチスケールシミュレーション / 計算科学 / 連成シミュレーション
ID 2022_E280
調査回 2022
注目/兆し 注目
所属機関 公的機関
専門分野 エネルギー
専門度
実現時期 5年未満
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) 14 (プラズマ学)
分析データ クラスタ 36 (熱・流体・波・運動エネルギー)
研究段階
マルチスケールシミュレーション自体は古くから研究されている。プラズマのダイナミクスは通常の流体とはことなり、3次元より高次元の方程式を数値的に解く必要がしばしばある。そのような中で10の5乗を超えるスケール差を含むようなマルチスケールシミュレーションが可能になってきている。富岳やプラズマシミュレータなどの最新鋭の計算機を駆使しながら、さらなる開拓に取り組まれている。
インパクト
2022年調査にはこの項目はありません。
必要な要素
よりスケーラブルな計算を実現する演算アルゴリズムや通信アルゴリズム自体の要素技術の向上に加え、そのような大規模な計算データから物理的理解にとって重要な情報を抽出・分析する方法論の開拓も極めて重要となる。この点についは最先端の数理・情報科学的手法を積極的に組み入れて行く必要があろう。