NISTEP注目科学技術 - 2023_E108

概要
・低炭素社会を目指した新燃料開発を背景に,アンモニア,水素などの非炭化水素燃料の燃焼技術に関する研究が世界的に推し進められている.現状は,アンモニア,水素などの単独の燃焼特性に加えて,既存炭化水素燃料との混合燃料として利用させる方向で検討され研究開発が加速されることが期待されている.本燃料多様化の動きは,発電,輸送分野だけでなく,製造分野にも広がりを見せているが,分野特有の燃焼技術に対応する必要があり,更なる研究開発の必要性がある.
キーワード
アンモニア / 水素 / 混焼
ID 2023_E108
調査回 2023
注目/兆し 注目
所属機関 大学
専門分野 エネルギー
専門度
実現時期 5年以降10年未満
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) 24 (航空宇宙工学、船舶海洋工学)
分析データ クラスタ 31 (環境化学)
研究段階
・2014年からの国家プロジェクト(SIP,エネルギーキャリア)により,基礎的な反応特性,原理は明らかになってきている.(研究室で単一の成分における反応については,一応の完成を見ている)
・工業的な利用も開始されており,使用量の増加と個別の事象,混焼状態による効果が検討されている.(企業との共同研究,NEDOなどのプロジェクトで進行している)
・燃焼反応に伴う排出物(特に窒素酸化物)に対する検討が必要な段階.(企業との共同研究の段階)
インパクト
・2050年のカーボンニュートラルを実現するためには,必要不可欠な技術.インパクトは大きいと考えます.
・環境・エネルギー・資源への貢献が大きい技術と考えられます.
必要な要素
・現状は一部の大学・研究機関に偏った研究開発となっている.特にアンモニアの利用には,排気処理等の設備,技術がなく取りかかれない研究機関もあり研究開発の加速には,一般に利用できる基盤の拡大が必要になる.
・日本の研究開発の進展をうけて,海外で研究開発が急加速している.資金面での支援を受けた海外の研究開発のペースは国内と比べて早く,現状日本として有している優位性を保つべく,研究開発を促進する動きが必要.