NISTEP注目科学技術 - 2022_E240
概要
コヒーレントラマン分光イメージングによる細胞内モルフォルジーの可視化.
ラマン分光法は官能基特異的なラマン散乱光を検出する分光法である.その中で,古典的な自発ラマン分光法には,測定時間がかかるというデメリットがあった.それを解決したのが,近年のレーザー技術の発展にともない進化したコヒーレントラマン分光イメージングである.顕微システムとの融合により,細胞内モルフォルジーを官能基特異的なイメージとして取得できるため,たとえば,細胞の分化の状態・ガン細胞との判別・ガン細胞の迅速診断(非染色),など,細胞内の成分分布の違いによりクラスタライズできる細胞の状態を非侵襲・非染色で評価できる.
現時点で,市販化できるレベルの機器ではないが,その理由は高額なレーザーが必要であるため,一般の分野での活用が進まないためである.レーザーの低額化が先か,技術のニーズが先か,というよくある問題が発生していると思われる.
また,レーザーの強度がもう少し下げられれば,ヒトをそのままはかることも可能になる(手術中の臓器・不妊治療の細胞・iPS細胞など直接検査などにも活用が想定される)
ラマン分光法は官能基特異的なラマン散乱光を検出する分光法である.その中で,古典的な自発ラマン分光法には,測定時間がかかるというデメリットがあった.それを解決したのが,近年のレーザー技術の発展にともない進化したコヒーレントラマン分光イメージングである.顕微システムとの融合により,細胞内モルフォルジーを官能基特異的なイメージとして取得できるため,たとえば,細胞の分化の状態・ガン細胞との判別・ガン細胞の迅速診断(非染色),など,細胞内の成分分布の違いによりクラスタライズできる細胞の状態を非侵襲・非染色で評価できる.
現時点で,市販化できるレベルの機器ではないが,その理由は高額なレーザーが必要であるため,一般の分野での活用が進まないためである.レーザーの低額化が先か,技術のニーズが先か,というよくある問題が発生していると思われる.
また,レーザーの強度がもう少し下げられれば,ヒトをそのままはかることも可能になる(手術中の臓器・不妊治療の細胞・iPS細胞など直接検査などにも活用が想定される)
キーワード
非線形ラマン散乱 / 先端計測・解析手法 / 光イメージング技術 / 1細胞解析
ID | 2022_E240 |
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調査回 | 2022 |
注目/兆し | 注目 |
所属機関 | 企業 |
専門分野 | ライフサイエンス |
専門度 | 高 |
実現時期 | 5年以降10年未満 |
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) | 90 (人間医工学) |
分析データ クラスタ | 6 (分子生物学/診断・治療) |
研究段階
研究レベルでは,多くのアプリケーションが報告されている(細胞,組織,ヒトそのまま)が,ビジネスとしてなりたつような金額構造でないことから大学の研究がほとんどである.
インパクト
2022年調査にはこの項目はありません。
必要な要素
ターゲットとなるメディカルへの活用には,低額化,メンテナンスフリーなシステム,結果表示アプリの開発など,大学と企業とでビジネスが成り立つ共同開発,かつ,医療分野での実証実験が必要だが,そのようなプロジェクトはなかなか発生していないため,その部分が必要.
また検出する光の効率をあげて,もう少し弱いレーザー照射でも測定できるようになれば,より臨床現場への活用の可能性が高くなると考えられる.
また検出する光の効率をあげて,もう少し弱いレーザー照射でも測定できるようになれば,より臨床現場への活用の可能性が高くなると考えられる.