NISTEP注目科学技術 - 2022_E216

概要
レーザー加工技術は、今後の産業基盤技術として、Society5.0を実現するためにも不可欠なものとなっている。このレーザー加工技術の最大の課題は、レーザー光の自由度が高いがゆえに、その最適パラメータの探索に非常に大きな時間と労力を有することである。これを解決するために、AIや学術的知見を最大限活用して、実験を行わなくても加工対象に対する最適パラメーターを導きだしてくれるシミュレーターの実現が、世界的に望まれており、国際的な競争が進められている。我が国が世界的に強みを有する先端レーザー技術、物性物理学、材料工学等の知を結集して、この課題に対して世界にさきがけて答えを導き、この分野のリーダーシップを獲得することが、日本の産業技術力向上に直結する。
キーワード
レーザー加工 / AI / レーザーアブレーション / 超短パルスレーザー
ID 2022_E216
調査回 2022
注目/兆し 注目
所属機関 大学
専門分野 ナノテクノロジー・材料
専門度
実現時期 5年以降10年未満
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) 30 (応用物理工学)
分析データ クラスタ 46 (データサイエンス/機械学習・AI)
研究段階
現在、AIを用いたレーザー加工シミュレーションが可能であることが明らかになりつつある。同時に、膨大なパラメーター空間を人の手を介さずに自動で実験を行うシステムの稼働が始まっている。すなわち、AIとビッグデーターの両方を獲得可能なシステムが稼働を始めた段階であり、今後この分野の急速な発展が期待される。これらで得られた知見に基づいて、レーザー加工の学理の深化が加速し、10年以内にAIと学理の融合した最高精度のレーザー加工シミュレーターが実現することが期待される。
インパクト
2022年調査にはこの項目はありません。
必要な要素
現在の半導体産業や通信技術(Beyond5G)でのイニチアチブ獲得に向けても、レーザー加工技術の果たす役割は極めて大きく、本研究の進展は国家的な産業競争力獲得に直結している。
この7,8年で複数の国家プロジェクトが本テーマに関して推進されてきたおかげで、日本の研究レベルこの分野においては世界トップレベルであると考えられ、さらなる研究開発の加速によって真の産業競争力の獲得につながることは間違いない。