NISTEP注目科学技術 - 2022_E212
概要
微生物による代替食品生産は、海外でもスタートアップによる開発が盛況となっている。
微生物による代替食品には、精密発酵とバイオマス生産に大別され、前者はいわゆる食品関連タンパク質の組換え生産であると言える(日本では、社会実装にハードルが高いかもしれない)。一方で、後者の場合は菌類などの培養生産により、実食可能なバイオマス生産技術であり、従来ではきのこなどしか着目されていなかった。そこに新たに注目されているのが、菌類を液体培養などで効率的に生産する技術である。代替肉の研究界隈では、培養肉が注目を集めているが、それよりも生産性が高いと考えられ、また注目すべきは、安全性や生産プラットフォームがある程度整っていることから、いち早く実装可能な代替食品の生産技術であることが指摘できる。植物肉に続く代替タンパク源として、培養肉や昆虫食よりも、より社会実装へのハードルが低く波及性が高いため、注目すべき技術と言える。
微生物による代替食品には、精密発酵とバイオマス生産に大別され、前者はいわゆる食品関連タンパク質の組換え生産であると言える(日本では、社会実装にハードルが高いかもしれない)。一方で、後者の場合は菌類などの培養生産により、実食可能なバイオマス生産技術であり、従来ではきのこなどしか着目されていなかった。そこに新たに注目されているのが、菌類を液体培養などで効率的に生産する技術である。代替肉の研究界隈では、培養肉が注目を集めているが、それよりも生産性が高いと考えられ、また注目すべきは、安全性や生産プラットフォームがある程度整っていることから、いち早く実装可能な代替食品の生産技術であることが指摘できる。植物肉に続く代替タンパク源として、培養肉や昆虫食よりも、より社会実装へのハードルが低く波及性が高いため、注目すべき技術と言える。
キーワード
代替タンパク質 / 菌類 / 発酵
ID | 2022_E212 |
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調査回 | 2022 |
注目/兆し | 注目 |
所属機関 | 大学 |
専門分野 | ライフサイエンス |
専門度 | 高 |
実現時期 | 5年未満 |
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) | 38 (農芸化学) |
分析データ クラスタ | 25 (食品化学・栄養学) |
研究段階
食利用を目的とした菌類バイオマス生産技術は、海外ではすでにスタートアップ企業が存在しており、開発から実装段階にある。国内では立ち遅れており、国内企業が水面下で開発している段階にあると思われる。一方で、アカデミアでの参画についてほとんど情報がなく、発酵微生物関連の研究者の参入が期待されるが、これの受け皿となる事業領域が設定されていない状況である。日本は微生物の培養技術に関しては、優れた技術知見の蓄えがあることから、これらの研究領域が顕在化することで、より加速的に発展すると期待できるが、まだ産学官での共同体制は構築できていないと考える。
インパクト
2022年調査にはこの項目はありません。
必要な要素
本研究領域が、新たなバイオ食品、バイオマテリアルの創生を目指すものであることから、広い分野へのインパクトを含むと考えられ、環境負荷の低減など、社会的な要請も大きなものである。したがって、開発人材が集まるような仕掛けは効果が得られやすいと期待でき、直接的な研究への投資が非常に有効ではないかと考える。具体的には、研究分野を指定した助成である。