NISTEP注目科学技術 - 2022_E171
概要
ゲノム編集による優良形質をもった作物の育種に注目している。
すでにゲノム編集を用いた植物はいくつか生産されているが,環境耐性や収量に着目した育種はあまり行われていない。人口増加に対応した高収量,促成性の高い作物など単位面積あたりのカロリーや栄養素が高い作物の作出が期待される。
すでにゲノム編集を用いた植物はいくつか生産されているが,環境耐性や収量に着目した育種はあまり行われていない。人口増加に対応した高収量,促成性の高い作物など単位面積あたりのカロリーや栄養素が高い作物の作出が期待される。
キーワード
ゲノム編集食品 / 高収量作物 / 耐環境作物
ID | 2022_E171 |
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調査回 | 2022 |
注目/兆し | 注目 |
所属機関 | 大学 |
専門分野 | ライフサイエンス |
専門度 | 高 |
実現時期 | 5年以降10年未満 |
分析データ 推定科研費審査区分(中区分) | 39 (生産環境農学) |
分析データ クラスタ | 50 (農業・森林) |
研究段階
植物のゲノム編集技術は概ね確立されており,植物種の違いによる最適化は必要ではあるものの,技術的な困難は少ない。一方で,植物のゲノムに関しては解明されていない部分が多く,編集すべきターゲットを選定するための基礎的な知見は必ずしも充実していない。各種オミクス解析を通して植物ゲノムの機能解析を進める必要がある。
インパクト
2022年調査にはこの項目はありません。
必要な要素
実現に向けた技術は概ね確立されているが,植物の遺伝子解析などの基礎的な知見の蓄積が必要である。しかし,植物の基礎学術的な研究は現在,研究費の補助も少ないことから研究が滞っている印象を受ける。また,短期的な成果を求めるため,モデル植物以外の研究があまり進んでいないのが現状である。もう少し基礎学術的な植物学,植物生理学への助成を進め,研究領域の活性化が必要である。また,ゲノム編集に関しては心情的に社会が受容しにくい風潮があるため,情報公開や社会への周知・教育が必要である。